本作ふくめフランス映画を見ると「フランス人」の多様さに目を奪われる。肌の色、出身地、価値観、クセ、移民難民…これぞ「フランス人」というタイプがない。ごった煮な人たちがフランス国を構成している。当然ごった煮なフランス人たちはワイワイガヤガヤと揉めながら生きている。何とか微かに重なり合うところを模索する。それが何だか気持ちいい。フランス映画のときの自分は国家って、国籍って何だろうとストーリーとは別に沈思しながらいつもスクリーンを見つめている。もちろん同時に考えている日本って、日本人って何だろうと。この島国で生まれた人のことを指すのか。日本語を操る人のことを指すのか。天皇を尊敬する人のことを指すのか…