フェルメール(1632~75)の『窓辺で手紙を読む少女』(あるいは『窓辺で手紙を読む女』)の絵を見たのは2008年9月のことだった。ドイツ・ドレスデン古典巨匠絵画館(アルテ・マイスター)のオランダ絵画の部屋。小さなこの絵(83センチ×64・5センチ)はあまり目立たず、絵の前に人影はまばらだった。少女の横の壁には何もない。しかし、この絵には隠された秘密があった。それを復元し、この絵は東京都美術館で展示されるという。 この絵はフェルメールの名作の一つとされ、ラファエロの『システィーナの聖母』、リオタールの『チョコレートの少女』などとともにアルテ・マイスターに収蔵されている作品(約780点)の中でも…