アンブシュア

『アンブシュアジストニアへの舌の関与:トランペット奏者のRT-MRIを用いた新しいパイロット結果』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov トランペットの健常奏者とアンブシュアジストニア奏者を比較。持続音中、健常奏者は舌の動きをかなり正確かつ安定して制御するのに対し、ジストニア奏者は動きが不安定だった。 トランペット演奏において前舌は、気流の速度を調節して唇の振動に影響を与え、高いパフォーマンスを可能にする。ジストニアの協調性の低い舌の動きは、ピッチの調節あるいは修正を行う際の、顔面及び咽頭の筋の代償を引き起こす可能性を示唆している。 前舌の変動性（ばらつき）の増加は、ジストニアの兆候…

『RT-MRIを使用した健常なホルン奏者とジストニアのホルン奏者の持続音中の舌の位置の変動』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ホルンの健常なエリート奏者とアンブシュアジストニアの奏者の持続音中の舌位置変動(TPV)を比較。健常奏者の舌の変位が大きい傾向は、より明瞭で安定した音に繋がっている可能性がある。 ジストニア奏者は健常奏者と比べ舌の動きが少なく、また、舌を含む口腔や顔面の筋緊張が強く、音を保持するためにタイトで硬いアンブシュアを作る傾向がある。ダイナミクスレベルを変えての演奏の際、全ての被験者でTPVには変化有り。 母音生成中の舌の形態は、持続音の演奏中のそれと密接に関連…

『アンブシュアジストニアのホルン奏者の運動戦略における非効率性：エリート演奏家との比較』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ホルンの健常なエリート奏者とアンブシュアジストニアの奏者を比較。音高の上行時、健常奏者は舌を上前方へ変位し顎を挙上させたが、ジストニア奏者は動きに大きなばらつきがあった。 下行時には、両グループが舌と顎を下垂させたが、健常奏者でより顕著で一貫性があった。健常エリートの運動戦略はより効率的であり、アンブシュアジストニア奏者の効率の低い運動パターンは、ジストニアの筋肉の緊張を悪化させる可能性が示唆された。 参加者内訳：健常なエリートホルン奏者12人、アンブシュア…

『健常なエリートまたはジストニアのホルン奏者の口腔運動戦略の相違』 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov ホルンの健常なエリート奏者とアンブシュアジストニアの奏者を比較。健常奏者は音の上昇中に舌が上前方へ動いたが、ジストニア奏者の舌の動きは著しく少なく、アンブシュアに大きな力を必要とする可能性。 健常エリート奏者が高音で舌を上前方へ動かすのは、空気の通り道を狭め唇の振動のためのより速い気流を作るためと推測された。この動きを行わない奏者は、気流速度の低下を補うためにアンブシュアの筋肉に大きな力が入り、アンブシュアジストニアの発症に繋がっている可能性が示唆された。 参加者内訳：健常なエリ…

ラッパを吹く時に一番初めに習うことといえばアンブシュア。つまり口の形。調べてみるとスマイルタイプ、パッカータイプ、マジオ、スーパーチョップスなど様々なスタイルがある。また、マウスピースを上下で上寄りにセッティングするか、真ん中か下寄りか、とか左右ではどうかと、考え出したらキリがない。 僕が学生時代に先輩から習ったことは、Mという口の形を作ってマウスピースを当てて口角を左右にひいて固定する。アゴも猪木のようにって感じ。いわゆるスマイルタイプになるのかな。こう習ってから、ず～っとこのセッティングでやってきたけれど、、、今は真逆のセッティングに変えることによって、今まで悩んできたことが解決できてきて…

アンブシュアについて ユーフォニアム、ホルンなど特に円錐形の楽器の方から多い質問。 ケースbyケースですが、息の流れ／唇の閉じ加減、の感触を調整する事で上手くいくケースが多いです。今回はこれまでのレッスンで効果の高い内容を抜粋して項目別にまとめましたのでご覧下さい。 金管楽器は演奏中のマウスピース内部を確認するのは難しいです。 こちらはバジングが必要か？から、練習の考え方や感じ方の記事。 artysm.hatenablog.jp ミード先生がイタリアでの講習会の内容をダイジェストにした実践付き動画です。 レッスンを受講出来ない人、CDなど持ってない人へおすすめ記事！ artysm.hatena…

年末最後のレッスンは高音域が得意な方のセッションでした。 低音域のアプローチ ここ数回取り組んでいたのは、D→B（low)へ滑らかに演奏（繋げる）。 この方は改善策としてマウスピースの接地を唇の左側を多く強く意識すると上手く繋がりました。 今日も音出しから、D→B付近を上手く繋げて演奏されていますが、もともと得意な高音への繋がりと、響きも弱めでした。 さらに観察すると、3度、4度の跳躍時、高い音域で本来唇の右側（実線）を利用する所で、マウスピースがまだ左（赤点線）に留まっていました。 マウスピース 適切なポジション／位置 音域に適切な位置（受講生にとって右寄り）だと、これまで以上にいわゆる芯の…

中学校の吹奏楽部に、部活動支援員という立場でお邪魔している。 何校か渡り歩いてきて、数百人の若い演奏家と向き合ってきた。その中で、色々と気づいたことがある。そのうちのひとつが、「楽器をきちんと構えられる子は、ほぼ100%うまくなる」ってこと。 楽器をきちんと構える、という一事の中にはいくつかのファクターがある。 1.楽器が正しく組み立てられる。そして、正しく扱える。2.楽器を適切に支持(固定)できる。3.操作に無理のない位置に指をおくことができる。 ･･･etc. ごく稀に、「なんでその構え方でそんなに吹けるねん？」と首をかしげたくなるような無茶苦茶な構え方で、バリバリ吹ける生徒もいないでもな…

2024年の夏は暑かった。夏が暑いのは当たり前だが、ニュースにもなった通り、かつてないほどの高温であった。 それを言い訳にしたくはないけれど、生命の危険を感じるほどの暑さに出歩くのを控えたために、昨年の春から続けていたトランペットの練習はちょっとサボり気味だった。カラオケボックス行ったんじゃねぇの？ ボックスで吹けばいいじゃん、という声がどこからともなく聞こえてくる。まあね、ごもっともなんですが･･･ボックスに籠もって練習するなら、別の楽器を練習したいという気持ちがあって、トランペットはサボりました。別の楽器での本番も立て込んだしね。ごめんなさい。 トランペットをほとんど吹かない期間が、多分、…

ピッコロを使う機会があり、ここ半月ほど練習をしている。 ピッコロで人前に出るのは何年ぶりだろう。ちょいちょい吹くことはあったけど、がっつり使ったのは、15年くらい前になるんじゃないだろうか。それから基本、ピッコロをほとんど使わないオケで演奏してきたので、ピッコロは箪笥の肥やしになっていた。それを今、楽器の加湿をしながら自分の腕のサビ落としをしているわけだが、うーん、本当に久しぶりだな。 使ってなかったけど、楽器の調整は数年おきに診てもらっていて、問題ない。問題は僕の方だ。すっかりピッコロの吹き方を忘れている。ピッコロの演奏に要求されるのは、フルートよりもコンパクトなアパチュアと、スピードの速い…

去年ご縁があって演奏会に参加した高校の吹奏楽部に、今年もお邪魔することになった。 １年生がたくさん入ったという話を聞いていたので今年はもうお声はかからないと思っていたのだけど、演奏会は聞きに行こうと思っていて、そう顧問の先生に伝えたら「じゃあ、のってよ」とお誘いをいただいた。OBってわけでもないのに声をかけて頂けるというのは有り難い。頑張ります。 今回の出番で使う楽器はフルートとトロンボーン。 この、フルートとトロンボーンという持ち替えの組み合わせ、僕には時々発生する。以前、横浜で金管バンドに混じっていた時にもあった。あの時は「イパネマの娘」をフルートで吹いたんだっけ。多分それが、僕のフルート…

久しぶりに楽器を持ってスタジオで個人練習をした。 どこまで吹けるのかなと思って、アルトとソプラノ両方を持って。あと、なぜかマウスピースが増えていたので（笑）どれが使い物になるのかがわかればいいなというのが目的になる感じで2時間。アルト1時間ソプラノ1時間ですね。 結果、やっぱアルトはセルマーのジャズメタルE、ソプラノはビーチラーのメタルがいいねという40年前と同じ結果になりました。 アジャスタトーンは思ったよりも楽勝。鳴らしやすさは問題なし。ハイバッフル状態にしてもハイバッフル感をまったく感じない（笑）。当然ながらジャズメタルよりも派手さはないものの、これはこれでいいっすね。ドレイクのサンボー…

藤田一照さんが良いことを言われたのだけど、人間というのは、やらな過ぎか、やり過ぎの二つに偏るというのです。これが人間の病ですよ。力を抜けと言うと、ダラッとしてしまう。気合いを入れろと言うと、今度はやり過ぎる。真ん中に立つというのがものすごく難しいのね。 「ZEN呼吸 「健康」は白隠さんから」 椎名由紀 横田南嶺 春秋社 中学校の吹奏楽部にお邪魔して、中学生と楽器で遊ぶついでにちょっとアドバイスもする、という活動をしている。以前、小規模校の小さなバンドにも行ってみたいと書いたことがあったように思うのだけど、その願いが神仏に届いたのか、今年度は部員数が30人未満のコンパクトなバンドにかかわることに…

自分がおかしいｗという状況はあまり変わっていませんが、少し前に進むために、自分を畳む作業を始めました。 まずは、初老になってから始めたサクソフォンの師の元を離れることにしました。今の師に教えを乞うようになって６年くらいたちますが、ここ１，２年は、レッスンに行くことが義務のようになっていて、かつ自分が教えていただいていたことを復習することもやれなくなってきており、このまま師事していても自分のためにならないと思ったのが理由です。 続いて、今の手持ちのサックスのマウスピースの棚卸（いきなり小さいなー）。迷ったときに道具を変えることでごまかしていたせいで、無駄に周辺パーツが増えていたので、思い切って断…

クラリネットの魅力：歴史から音楽ジャンルまで 皆さん、こんにちは！ 今回はクラリネットに関する雑学をご紹介します！ クラリネットは木管楽器の一つで、独特の魅力を持っています。 このブログでは、クラリネットの歴史や構造、種類などについて詳しく解説します。 クラリネットに興味がある方や、既に学んでいる方にとっても、新たな発見があるかもしれません。 クラリネットの歴史 クラリネットは18世紀初頭、ドイツの楽器製作者ヨハン・クリストフ・デンナーによって発明されました。 デンナーはバセット・ホルンを基にクラリネットを設計し、オーバーブローで1オクターブ上の音を得る工夫をしました。 発明当初は限られたキー…

思ったより咲き始めの遅かった桜は、４月の中頃に盛りをすぎて、今は若々しい葉を芽吹かせている。 これくらいの季節になると、気温が安定すると同時に、僕の大敵であるヒノキ花粉もピークアウトする。花粉症の僕に、やっと春らしい春がやってくるのだ。マスクを外して表を歩けるのが嬉しい。 去年、外を出歩くための口実を兼ねてトランペットの練習を始め、秋頃までは公園などで吹いていた。で、寒いと指が動かないので、本格的な冬になってからは自宅でプラクティスミュートをつけて吹いていたのだけど、また外を出歩ける季節になったし、そろそろまた公園通いを始めようと思っている。近くに住宅のない、多少大きな音を出しても迷惑にならな…

■4/16(火) 大津CC 出席者22名 おはようございます! クラリネットTです! いつもは練習終わって夜にブログを書いてるんですが、本日は朝書いています。 朝活です。 いつもブログの更新を楽しみにされている約3名のファンの方、お待たせしてすみません。 今回はいつもよりさわやかなブログになりそうです。 さて、昨日の団長恒例のオープニングトークですが 日曜日の練習のあとからスカパラにハマったようです笑 高校生とのコラボ曲に感銘を受け、さらに他の動画も見まくっているようです。 最近は良い時代ですね。 この曲良いよとか言われたら、すぐに動画で検索して見たり聞いたり出来ますよね。 昔はCDを借りたり…

何の節目でもないけど振り返りたくなったので振り返る。強いて言えばアニメの1クール分。2024年の1-3月で視聴したコンテンツとか身の回りにあったことを書き殴っておく。 オタク いつまでアニメ観たり漫画読んだりしてるんやろな思いながらも、毎クール何本か追いかけるし軽率に漫画買ってたまにクソ漫画引いて後悔してる。 アニメ この冬みてたやつ、途中で見るのやめちゃったのが多い 僕の心のヤバいやつ こういう美しいものだけを見ていたい アニメ化にあたって一番うれしかったのは音楽の担当が牛尾憲輔さんであったことである。リズと青い鳥もそうだったが、繊細で壊れやすくて尊い青春を過ごす17歳(概念)の心情を描写さ…

慢性疲労症候群のリハビリのために、中学校の吹奏楽部を教えるお手伝いをしている。 お手伝いをすると、お給料がいただける。その、いただいたお礼がそれなりにまとまった額になった。なので、かねてからの念願であったアルトサックスを手に入れることにした。吹奏楽のお手伝いで頂いたお金は基本、中学生に還元できるようなことに使うことにしている。アルトサックス、ほしかったんだよねー。テナーは持っているけど、Bb⇔Ebの読み替えが面倒なのと、音域的にかぶらないのとで、アルトの子を教えるのには非常に使いにくかった。当たり前だが、どこの中学校に行ってもアルトサックスの子はいる。今まではテナーで教えるのに我慢してもらって…