よしもとばななの「キッチン」を再読した。読み進めるうち、友人との古い記憶が蘇ってくる。年齢でいうと、21歳とかそのくらい。恐ろしく昔だ…!不思議なことに、以前レビューした著者の別作品「白河夜船」で思い出した友人と同じだった。どうやらこの人の本を読むと、あの頃のわたしたちに会えるらしい。今みたいに相互理解の最短距離を目指して分かりやすく伝え合うのではなく、感覚と感覚で気持ちのやり取りをしていたあの頃だ。 キッチン 作者:吉本ばなな 幻冬舎 Amazon 「キッチン」は吉本ばななが初めて出した小説で、3話収録されている。「キッチン」「満月ーキッチン2」そして大学の卒業制作作品「ムーンライト・シャド…