J.S.バッハの作品(BWV772-801)。
正式名称は「クラヴィア愛好家とりわけ学習希望者が(1)2声できれいに演奏し、さらに上達したならば(2)3つの主要声部を正しく上手に処理することを学び、同時にすぐれた楽想を手に入れるだけでなく、それらを巧みに展開すること、そしてとりわけカンタービレ奏法を習得し、作曲の予備知識を得るための正しい手引き」。1723年成立。
内容は2声部をもつインヴェンション(Inventio)、3声部をもつシンフォニア(Sinfonia)各15曲、計30曲からなり、現在刊行される場合には上記の正式名称に代えて「インヴェンションとシンフォニア」と題されるのが普通である。
全ての曲が見開き2ページで作曲され*1比較的短く、形式はフーガよりもかなり自由になっている。現代に至るまで鍵盤音楽及び作曲の初等教材として必修と言っていいほど用いられる。
当初長男フリーデマン・バッハの教育用に作曲され、後に他の弟子への教材として大幅に改稿され現行の形となった。
*1:ページめくりの煩を避けるため。