(シロがなんだい!) 心の中のライオンがガォォ~と吠えた。と、胸のモヤモヤをどこかに追いはらってしまった。やっぱりウキウキしてきた、ワクワクしてきた。 ニャン太の心にもう恐いものなんてなかった。 大満足しているニャン太の後ろで、バサバサと羽ばたく音がする。ニャン太はふり返った。晴れた冬の空から下りてきたのは、カラスのカースケだった。 ニャン太の友達だった。でも、あまり好きじゃあなかった。 「やあ、ごきげんよう」 と、言いながら、カースケが屋根の上を歩いてくる。 二本の細い足が真っ黒なからだを支えて、かわるがわる器用に動く。ちょっと見ると、ニャン太のしのび足のようだ。その歩き方が、ニャン太にはな…