死を強く意識し忘れられる事を極度に恐れる少女が、それを克服すべく生きた証を残そうとする話。 アストンマーチャンは一見すると不思議系電波ガールでありマスコットになりたいとかのたまう。 だがそれは世界中の人に自分の事を忘れないで欲しいという願いの表象だったのである。 死に囚われるマーチャンと"海に流れ続ける"覚悟を示せばフラグは成立!思い出を刻むことになる。 マーチャンの最初の生きた証である「香り袋」は彼女をして"ムズムズ"させることになる。 人々に自分を忘れさせたくないと願ったマーチャンは鮮烈な想いをトレーナーに焼き付けていく。 ウマ娘がゼロ年代泣きゲーを彷彿とさせることは指摘されるが本作もアル…
死産した双子の妹の残影に囚われ自らに孤独を課す少女に身を捧げる話。 アドマイヤベガはクールでストイック。馴れ合いを嫌い孤高を貫いていた。 その理由は死産した双子の妹に起因し、自分だけが生き残った負い目があったのだ。 自らを追い込み気負いがちで危うい所があるアヤベさんを皆は放っておけない。 アヤベさんを支えたいトレーナーをカレンチャン、ドトウ、オペラオーが手助けする。 トレーナーは懐の広さでアヤベさんの全てを包み込み、その意志を尊重する。 アヤベさんの心の中にいる妹の残影ごとアヤベさんを受け入れるのである。 亡き妹ごと愛され心を開いたアヤベさんが見せるデレっぷりは凄まじいものがあります。 隣のト…
ホスピス系病弱ウマ娘が「自分の生きた軌跡」を残すため、その刹那を刻む話。 アルダンは入退院を繰り返しデビューすら果たせず全盛期が過ぎ去ろうとしていた。 それでも決して諦めること無く自分の不利を受け入れ必死で訓練に励んでいた。 走れる機会を逃さないことがアルダンとっては重要で適性外の選抜レースに挑む。 トレーナーはスカウトすれば無茶を防げると思い専属になることを提案するが……。 アルダンは選抜レースの後に来て欲しいと言い残し、自分の実力を示すことに拘る。 いつ死ぬか分からないアルダンにとって「今」を刻むことが全てだったのである! その結果ダート1200でも結果を残し、約束通り、トレーナーのスカウ…
サイレンススズカが「想い」の力で前世(リアルで「馬」だった頃)の因果律を書き換える話。 現実のサイレンススズカは絶頂期を迎えた118回天秋でレース中に怪我に見舞われ安楽死する。 その世界線の記憶の残滓は次第にトレーナーを蝕んでいき過労で倒れてしまうほどに。 不安に苛まれるトレーナーを救うのは正妻ポジションのメジロマックイーン。 ウマ娘は「想い」を背負って走る存在なのだと諭しトレーナーを鼓舞するのだ! (第5章はトレスズが描かれ淡い感情を抱くスズカを垣間見られるがトレマク分が掻っ攫っていく) レース中過去の因果に囚われそうになるスズカを救うのは彼女への「想い」の力。 鬼滅のラストで鬼となった炭次…