私はホラーが苦手だ。理由は小心者だから。小心者の私は、驚かないように普段からありとあらゆることを想定して生きている。できるだけ“想定外”が起きないようにするために。だから人より考え事が多いし、人より物事に対する身構え方が大きい方だと思う。 ホラーとは、想定外の連続である。想定できないところで想定できないことが起こる。だから怖い。想定することができないホラーは私にとって一番苦手な驚く感情を産まされるジャンルなのだ。 今回観劇してきた『ウーマン・イン・ブラック』は、ホラーコメディとして何度も再演されている不朽の名作だ。私にとっては生まれて初めて「怖くて面白い」と思えた作品だった。なぜ怖いのに面白か…