ーーーー講義録始めーーーー AI技術の評価と第一次AIブームの終焉 社会からの評価 1960年代、AI研究は主に記号主義AIに基づき、演繹推論や探索アルゴリズムといった汎用的な知能システムの開発に焦点を当てていました。この研究分野では、具体的な個別問題に依存しない方法を目指し、ボードゲームや定理証明などに適用されました。しかし、社会からの評価は必ずしも高くありませんでした。 当時、社会がAIに期待していた応用分野の一例が機械翻訳でしたが、記号主義AIはこれを解決するには至りませんでした。そのため、「トイプログラム」(おもちゃのような問題しか解けない)という批判を受け、実社会での有用性が疑問視さ…