ーーーー講義録始めーーーー 東アジア人は、比較的軽度の体重増加でもリピッドスピルオーバー(脂肪組織から遊離脂肪酸が漏れ出る現象)を起こしやすく、メタボリックシンドロームを発症しやすいと考えられています。そこで、健康な成人において、どの程度リピッドスピルオーバーが起きるか調査した研究をご紹介します。 対象と方法 対象:健康診断で異常が一切認められなかった成人50名 評価項目: 脂肪組織インスリン感受性(Adipose Tissue Insulin Sensitivity, ATIS)を指標に、リピッドスピルオーバーの程度を判定 体組成(皮下脂肪量、内臓脂肪面積) 最大酸素摂取量(VO₂max)な…