ーーーー講義録始めーーーー このように、健康診断で異常がない「健康成人」においても、わずかなリピッドスピルオーバー(脂肪組織からのFFA漏出)が認められると、次のような変化が生じることが分かりました。 肝脂肪の蓄積と筋肉のインスリン感受性低下 リピッドスピルオーバー陽性群では、肝臓に軽度の脂肪(Hepatic Fat Fraction ≈ 5–10%)が蓄積し、骨格筋におけるインスリン感受性も有意に低下していました。 血中脂質プロファイルの悪化 指標 スピルオーバー陰性群 スピルオーバー陽性群 中性脂肪(Trg) 約 90 mg/dL 約 120 mg/dL HDL-コレステロール(善玉) 約…