エピクロスは、古代ギリシャの哲学者でアカデメイアで哲学を学び、アテナイ市に哲学の学園を作り仲間たちと共同生活を送っていた。 古代ギリシャでは、奴隷民と自由民(市民)と厳密に分かれており、市民は自由民と呼ばれた人たちだけを指したが、エピクロスは奴隷の身分の者にも学園への参加を許し、当時としては珍しく女性が入園することもできた。 エピクロスは公の場で有名になるよりも、私的な交際を好んだと言われている。その彼の有名な言葉が「隠れて生きよ」である。 『地位や名声を得ることは快いが、しかし同時に不安に苛まれることにもなるだろう。だとすれば、そうしたものを追い求めるのではなく、むしろ、遠ざけることによって…