今はそんな人は見ないだろう。首からお守りをぶら下げた姿など。映画・男はつらいよの寅さんくらいだろうか。が、これがロザリオとなると話は違うだろう。カトリック教徒ならば誰もが首から下げている。住んでいた横浜の街に数棟の大きな公団住宅があった。そこには中国人もインド系の方も居れば中東系やトルコ人もいらしたが特にフィリピンから来た女性が多く住んでいた。近くの公園で数組の親子が遊んでいた。タガログ語だろうか自分にはわからぬ言葉を喋るお母さんの首元に光るものがあった。それはロザリオだった。そうだった、フィリピンはクリスチャンの国だった。ああ、やはり十字架は肌身離せないのだな、とその時思ったのだった。 ミサ…