クリスマスも近づいた師走のある日、「美の巨人」でも紹介されていたヨドコウ迎賓館を訪れた。いつもながらあまり期待せずに足を運んだが、とにかくどこを見ても、目に入るものすべてが美しく、フランク・ロイド・ライトとその弟子たちの世界に耽溺した。 建築美術が好きな人には、超おすすめの穴場です。 外観この建物は、1924年にフランク・ロイド・ライトが灘の酒造家・山邑家の別邸として設計したもの。 ライト自身は1922年にアメリカに帰国したため、実地設計と施工監理はライトの弟子の遠藤新や南信たちに委ねられた。戦後、洋館は淀川製鋼所の手に渡り、社長の邸宅として使われたが、老朽化や地盤沈下が激しく、一時は廃墟同然…