私は昭和57年(1982)から5年ほど、週刊誌で松田聖子の番記者をしていた。 時期的には、彼女が郷ひろみと交際し始めた頃から、神田正輝と結婚して長女・沙也加を出産した少し後まで、ということになる。 郷との結婚が間近と言われていた聖子が緊急記者会見を開く、という一報が飛び込んできたのは、昭和60年(1985)1月23日午前8時のことだ。 会見は2時間後の午前10時から。場所は東京・砧の撮影所だという。編集部に連絡するが、カメラマンが捕まらない。 現在のように携帯もメールもない時代だ。 あいにく一眼レフも故障中。急遽、途中のコンビニで使い捨てカメラを購入し、時間ギリギリに会見場に滑り込んだ。 午前…