パレスチナ問題について話をするたびに、必ずと言ってよいほど、「ホロコーストを経験したユダヤ人がなぜ、同じようなことをパレスチナ人に?」という質問を受ける。(…)パレスチナの村々を民族浄化せよという指令を受けていたシオニスト軍は、一九四八年四月一日、ハガナーから「すべての村を敵の基地と見なし、十歳以上の者はみな戦闘員と見なせ」という命令を受け取っていた。 自らが被害者であるにもかかわらず、そのような暴力を他者に振るう者たちは歴史から――自らが被った暴力的体験から――何も学んでいないように見える。しかし、歴史から何も学んでいないのは、実はこのような問いをナイーヴに投げかける者たちの方であるのかもし…