「パンク」な表現で女性らしさの押しつけをあぶり出す 『キングコング・セオリー』(ヴィルジニー・デパント著・相川千尋訳/柏書房) 「私はブスの側から書いている」、衝撃的な書き出しで始まる「キングコング・セオリー」は、現代フランスを代表する作家、ヴィルジニー・デパントの2006年の著です。その後、Twitterでの#MeToo運動の広がりなどにより、再び注目を集め、相川千尋により日本語に翻訳され、2020年におよそ15年越しで日本語版の出版となりました。■売春が規制される理由 女性は、社会においてその「女性らしさ」を守ることを常に要求されます。娼婦に対する世の中の目がそれを物語っています。例えば、…