筆者の愛する19世紀後半~20世紀美術は、それまで光や色を植生物理学的に分析・追及してきた「印象派」と呼ばれる時代から、ジークムントフロイトが心理学という学問を提唱したことにより、無意識(内省的な世界)をアートで表現しようと試みた「象徴主義」から始まり「フォーヴィズム」「キュビスム」「シュルレアリスム」へと広がる芸術運動が特徴的である。 筆者は臨床心理学専攻出身ということもあり、この時代の美術が特に関心がある領域なのだが、今日は「象徴主義」の代表であるオディロン・ルドンが描く「花」について書きたい。(余談だが、大学入学時に「お金がかかる割に臨床心理士は稼ぎたい人には向かない」と教授に言われ早々…