グレゴリー・ケズナジャットさんの日本語デビュー作にあたるのだろうか。少なくとも書籍になったのはこの「鴨川ランナー」が初めてだと思う。表題作と「異言(タングズ)」の2作を収録。どちらも外国(米国)から日本に来た人間を主人公だ。 鴨川ランナー 作者:グレゴリー・ケズナジャット 講談社 Amazon 「鴨川ランナー」は2人称で書かれている。2人称の小説と言えば、多和田葉子「容疑者の夜行列車」を思い出すが、多和田さんは「あなた」だったが、グレゴリーさんは「きみ」を使っている。「容疑者」は、意識的に「あなた」を使っていた印象がある。強く「2人称」小説を意識させられた記憶があるが(記憶違いだったらごめんな…