ザ・グレート・ムタ
日本プロレス界が誇る天才レスラー武藤敬司が、顔にペイントをし、不気味な衣装を身につけ、突如ヒール(悪役)キャラに変身することがある。それがこのグレート・ムタである。普段は圧倒的な善玉キャラである武藤敬司の「二重人格のうちの悪の側面」という設定である。
武藤は1985年にプロレス武者修行のために渡米、アメリカやプエルトリコで「ホワイト・ニンジャ」という忍者キャラで活躍していたが、それが当時アメリカ屈指のプロレス団体であったNWAのプロモーターの目にとまる。さらに、「東洋の神秘」キャラの先駆者にあたるザ・グレート・カブキをプロデュースしたマネージャーのアドバイスにより、「ザ・グレート・カブキの息子」という設定でキャラクターチェンジを図った。顔にペイントを塗り、グレート・ムタというレスラーが誕生したわけである。
当時NWAの若手スターであったスティングや、NWA世界ヘビー級チャンピオンであったリック・フレアーとの抗争を経て、彼のレスラーとしての地位も向上。日本に帰国後もその勢いは止まらず、長州力を破り新日本プロレス最高位のベルトにあたるIWGPヘビー級選手権を獲得。その後も、折に触れて武藤はグレート・ムタに変身してファイトした。武藤の移籍に伴い、現在は全日本プロレスにてまれに出没する。
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