”リーマン予想と20世紀の代数幾何学”という章がすごく良かった。数論と幾何学が結びついていくというのが非常によくわかる。またグロタンディクが代数幾何学の大変革としてやろうとしていたことのモチベーションが数論に適用できる幾何学の建設であったことがよくわかる。 他には”整数を「素数全体の空間の上の正則関数」のように感じる”など数の世界と関数の世界の類似がおもしろい。 私は学生の頃はグロタンディクは驚異的な数学者として認知しており数千ページある代数幾何の本を書いている恐ろしい数学者という印象しかなかった。またそうした印象もあり代数幾何は恐ろしい分野と敬遠していた。こうした本を当時読むことができれば、…