犬を連れての朝の散歩。リビングの南面にみる甲斐駒にかかる雲の流れで今日の天気はいかほどか、と推測するのも楽しい。戸外でると八ケ岳が北に見える。そんな道を辿っていくと、妻は突然しゃがみこんで摘むのだった。花ではない。それは野生のコゴミだった。フキもまだ元気で先日は十本ほど頂戴してきた。横浜の路肩の蕗とは大違いな立派なものだった。こうして毎日何かを摘む。もちろん他人様の土地だからそれはいけない事なのかもしれないが嫌になるほど生えているのだから大目に見てほしいのだった。 僕は僕で枯れ枝を探して歩く。桜の枯れ枝だろうか、薪ストーブの火つけ用にもってこいなのだ。松ぼっくりも良いという。落としものだから遠…