アメリカのユダヤ系人気作家;J・D・サリンジャー(1919〜)の短編小説。
原題は『Unkle Wiggly in Conneticut』。
1949年4月の『ハーパース・マガジン』に『小舟のほとりで』を発表して以来、同様に書き進められた短編集;『ナインストーリーズ』(1953)に収載。
『テディ』といい、『エズミに捧ぐ』といい、勿論の当作や『バナナフィッシュにうってつけの日』といい、デリケートな心理物としては、ロゴスや背景文化に依存症気味な通常の作家意識では逆立ちしても不可能なほどの達成ぶりで、これこそがまさに“珠玉”というに相応しい名品である。
かつて太宰治はトルストイを「脛毛丸出しの娘役」と貶したが、この作を読んだ後はことごとくの創作物が「方々のめくれ上がった張りぼて」にしか見えまい。
つまり“神技”!