このような演繹型思考で組み立てられた教育政策は、「現場に下ろす」ことが不可避となる。それゆえ、現場の理解が求められ、理解を進める「周知・徹底」が教育改革の重要な役割を担う。政策がうまくいかないのは、「周知・徹底」がうまくいかなかったからか、教育現場がその趣旨を十分に理解できなかったからか、「理解していること・できることをどう使うか」に習熟できなかったからだとなる(このカギ括弧で示した部分は学習指導要領で児童生徒の学習に関連して使われる表現である)。「これまでの教育実践の蓄積」を帰納することで、政策を立てるという発想にはならない。だから、実態把握(帰納のための知識の基盤)を欠いたままでも次々と教…