バッハが演奏したコーヒーハウス 前回は、コーヒーの起源と、ヨーロッパに入ってきたプロセスに触れ、「コーヒーハウス」が、英国では近代市民社会への扉を開き、フランスでは革命の口火を切ったさまをみました。 今回はドイツです。 北ドイツへのコーヒー輸入の道筋は、前回ご紹介した4ルートのうち、〝オランダ東インド会社ルート〟です。 ヘンデルと違ってイタリアに行ったことのないバッハが、ヴィヴァルディなど、イタリア最先端の音楽を知ったのは、当時、世界の情報と物産が集まったアムステルダム経由でしたが、コーヒーも同様に、アムステルダムからハンブルクを経て入ってきたのです。 音楽もコーヒーも、嗜好品として同じ流れを…