遅いテンポと悲しいメロディ、場合によっては女声やストリングスなどを用いて醸し出された重苦しく耽美的な雰囲気を特徴とするメタルの分派。
語源としては'91年にリリースされたPARADISE LOSTの2ndアルバム「GOTHIC」が始まりと云われている。
このアルバムにおいて提示された、テンポを遅くしたデスメタルにメロディアスなギター、そして女声というスタイルがゴシックメタルと呼ばれる音楽の1つの基本となり、以後イギリス・ヨーロッパを中心に同系統のバンドが数多く出現し、「ダーク・ウェーヴ」と呼ばれるムーブメントさえ形成するに至った。
しかしその後、それらデスメタルを出自としてゴシックメタルに進んだバンドの多くがそこからも脱却し、メタルとさえ呼べないような普遍的なロックへと音楽性を変化させていったこと(当のPARADISE LOSTからしてそうである)、またデスメタル以外にもドゥーム・メタル、プログレやニュー・ウェーヴ方面のバンドからのアプローチ(あるいは逆にそちら方面へのアプローチ)もあったことなどから、その定義は曖昧になり、結果として「ゴシックメタル」は非常に幅広い音楽を示す言葉となった。
ゴシック・メタルの代表的なアルバムとされる作品は以下の通り。