2021年8月に亡くなった千葉真一と筆者がしばしの時間、歓談したのは、その年の2月だった。 ある作家のパーティ─が銀座で催された際、映画の原作執筆を依頼するため顔を出した千葉と、およそ10年ぶりに対面した。 千葉には週刊誌記者時代に幾度か取材でお世話になり、10年ほど前にも月刊誌でインタビューさせてもらったことがある。 こと映画の話になると時を忘れ、少年のような瞳で熱く思いを語るその姿に「役者バカ」を見たものだ。 そんなこともあり、対面した時も映画に対する情熱は相変わらずで、全く老いを感じなかったこともあり、ニュースで死去を知った時は、本当に驚いたものだ。 千葉は言わずと知れた、昭和を代表する…