みんなと違う、というのはやっぱり辛い。「みんな」だとか「普通」だとか、曖昧で正体がわからないものに振り回されるのは情けないな、と思いながらも、それでもやっぱり自分以外の人間が平然とできていることができないとき、情けなさと恐ろしさと悲しさの入り混じったどうしようもない気持ちになる。 サースキも、明らかに「普通」ではない。曖昧で正体がわからない、と言ったが、サースキが暮らす村の誰ともサースキは似ていないのだから、正真正銘「普通じゃない」と言えるだろう。 彼女は実際妖精の取り換え子であるから、理由のわからない変さではなく、読者からすればどうしようもない変さなのである。しかし、すべてを俯瞰で見ているわ…