【124話】 俺は自信を失いかけていた。 まるで何か大切なものを握りしめていながら、それがすり抜けていくような感覚だった。 カオリの本当の気持ちを知りたいけれど、聞くのが怖かった。 心の中でその問いがぐるぐると渦巻いて、胸が締め付けられるようだった。 「とりあえず、フォアローゼスで乾杯しよ!」 俺は勢いよく言った。 こんなに気を紛らわすのが目的だとは、彼女には悟られたくなかった。 水と氷を買い忘れたので、ストレート飲みだ。 グラスに注がれた琥珀色の液体を見つめながら、俺は一気にそれを喉に流し込んだ。 むしゃくしゃして、オレはフォアローゼスを一気飲みする。 俺の声は、どこか遠くから響いてくるよう…