そのほう来年もまだ、人並みに生きられると思うてか? どこぞから声が聞えてくる気がする。 この時期にロフトまで買物に出かけるのは、例年の年中行事といえる。迎春の準備だ。 まず手抜き年賀状作成に向けて、小道具の用意である。ハガキの余白を埋めるための、干支のゴム印を仕入れる。鼻白むほど子供じみた発想だが、省力化の実益には替えがたい。もともと金釘流もここまでとはというほどの悪筆であるうえに、気の利いたひと筆画も描けぬ身だったが、近年さらに手が固くなり、わが筆跡は視るも無残なる様相を呈する。にもかかわらず愚にもつかぬ意地もあって、印刷年賀状だけは避けたいとなれば、小学生のごときゴム印年賀状もやむなしとな…