ウィリアム・ブレイク(1757 - 1827)というと、日本では『無垢の歌、経験の歌(Songs of Innocence and of Experience, 1789, 1794)』が圧倒的に有名で、次いで比較的短い詩篇『天国と地獄の結婚(The Marriage of Heaven and Hell, 1790-1793)』が多く訳され、ブレイクの驚愕に値するキリスト教異端の神秘的世界観の一端に触れることができるが、研究書やブレイク自身の版画作品を語るときに取り上げられることが多い長篇の預言的詩作品については簡単に翻訳で読むことはなかなか困難なのが現状である。そのなかで、名古屋大学出版会…