「ヘルンとセツ」 「ヘルンとセツ」田淵久美子 家庭に恵まれずに苦労して育ち、新聞記者として身を立てる中、日本の神秘性に惹かれた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。 明治維新で没落した武家の娘として貧しいながらも強く生きる小泉セツ。 その2人の生き様と、松江での出会い、結婚を描く。 セツは、2025年秋に始まるNHK朝の連続テレビ小説「ばけばけ」の主人公。 著者は、島根県出身の脚本家。2人それぞれの視点に切り替えながら、テンポ良くストーリーが進み、読みやすくて一気に読破できる。読後感も爽やか。 八雲が松江に来てから早い段階で、互いに相手の存在を知るが、なかなか出会わない。互いに惹かれ始めてからも、…