(原題:Heretic / 2024年 / 111分 / スコット・ベック&ブライアン・ウッズ監督 / アメリカ・カナダ合作) ※本記事は映画『異端者の家』のネタバレを含みます。また、記載されている考察・解釈は筆者個人の見解です。作品の性質上、宗教について言及しておりますが、ある特定の宗教や信仰を批判する意図はございません。 ヒュー・グラントがこれまでのイメージを覆す悪役を演じたことでも話題の『異端者の家』は、密室サイコスリラーの形式をとりながらも、実のところは宗教と信仰をめぐる知的なディベート劇である。宗教と信仰という欺瞞について討論していきながら、最後には祈りの意味を提示するという、なんと…