ナショナルな欲望のゆくえ: ソ連後のロシア文学を読み解く 作者:隆志, 松下 共和国 Amazon 高校時代にドストエフスキーに熱中し、ソローキンをテーマに学位論文を書いたという1984年生まれの著者が、博士論文を基にその後の研究成果も踏まえて大幅に加筆修正して書き上げたいう本書は、2021年度日本ロシア文学会賞受賞作。松下隆志さんといえば、ソローキンの『青い脂』や氷三部作の翻訳者だけれど、こんなにお若い方だったのか!とまずは驚く。ソ連崩壊後のロシアで多様化した文化や文学を、《ポストモダニズム》を軸に据えて読み解く試み。『亡命ロシア料理』のゲニスが論じる「キャベツ・パラダイム」と「タマネギ・パ…