引き続き「日記シリーズ」を読んでいる。このシリーズはどれも面白く、今まで読んだ中でハズレと思ったものはない。今回も満足した。著者の内田は家業の倒産により、両親と息子を養うため、50歳のときにタクシードライバーになった。本書はそれ以降、65歳でリタイヤするまでの15年間の体験記だ。 「日記シリーズ」を読むと、著者が属している業界の事情や慣習と言ったものも良くわかる。今回もそうだ。例えば「入社祝い金」(P95)。乗務経験者が他社に移る際、祝い金を出す会社があるらしい。金額は20~30万程度。これを目当てに転職した元同僚の話が出てくる。乗務経験者はどの会社も欲しいのだろう。この元同僚は、娘の進学費用…