子どもがお絵かきにハマっている。画用紙いっぱいに機関車トーマスの絵を描いていて、上手にトーマス描けてるね、と言うと我が子は「違うよ、これはタマシイだよ」と答える。わたしは「ほぅ」と唸り声。急に人生の果てにある哲学の話をされて、ほぅしか出ないオトナのわたしの、お菓子の包装紙のような薄っぺらい人生観はひどく軽薄であり、それでも山を越え谷を越えてきたわたしの人生は包装紙に包まれたパイの実のようにでっぷりとした恒星であり、タマシイを描いている我が子の太陽系を構成するための、くるくる回る惑星なのだった。トーマスと呼ばれていたはずのタマシイは、確かにトーマスでもあってタマシイでもあった。どちらも同じくらい…