キュプセロスの子で後継者のペリアンドロスについては、多くの話が伝えられています。まずは、ペリアンドロスの治世に起こったというアリオーンとイルカの話を紹介します。 ペリアンドロスはキュプセロスの息子で、(中略)彼はコリントスの独裁者であったが、コリントス人のいうところでは――レスボス人もそれを認めているが――彼の在世中、世にも珍しい事件があった。メテュムナの人アリオンが、海豚に乗って海上をタイナロン岬まで運ばれたというのである。アリオンは当時彼に比肩するものなしとされた竪琴(キタラ)弾きの歌い手で、われわれの知る限りではディテュランボスの創始者で命名者であり、コリントスでこれを上演した人物である…