新潮文庫の、『チェーホフ・ユモレスカ 傑作短編集II』を読了した。その感想を書く。 まず、一番面白かった短編の感想を、書いちゃおうかな。冒頭に掲載の「婚礼の前」が、俺には一番だった、この本の中では。ロシア文学的な見事な長ゼリフが楽しめる。ポドザトゥイルキナがひと言も発しないのがなお良し。回りからのワーワーに圧倒されてる感がよく現れてる。 で、だんだん、短編個別の話から、一般論に、話題を広げていきたいんだけどね。短編の末尾に、発表年月日、検閲年月日が書いてある。で、この「婚礼の前」は、逆算すると、チェーホフが27歳の時の作なの。だから、だから、期待したし、その期待に「婚礼の前」は応えてくれた。 …