オタール・イオセリアーニ(Otar Iosseliani)監督による1988年作『トスカーナの小さな修道院(Un petit monastère en Toscane)』について。 トスカーナの外れに修道院があり、5人の修道士がおそらく古くから伝承されてきただろう宗教儀式を毎日繰り返し、宗教画や書物の修復と維持を行っている。教会や修道院は街から孤立した場所にあり、教会の大きさに対して修道士の数、そこに通う人々の数は少なく見える。 修道院と同列に、狩猟、農耕、祭りなどトスカーナに住む人々の営みが撮られている。静かな雰囲気で統一されているために、狩猟に向かう背中や銃声、豚の解体が暴力的に映る。淡々…