「トラウマ性の結び付き(traumatic bonding)」という、一般の人々には理解され難い被害者心理があります。トラウマになるような被害を受けている者が、加害者から離れられなくなる心理ですが、これはしばしば指摘されがちな「共依存」とは全く性質が異なるものです。もちろん、「マゾ趣味」などでもありません。 DVやモラハラの加害者に暴力のサイクルがあると、それが関係して、被害者が逃げられなくなることもあります。そのサイクルとは、加害者がストレスを溜め込む時期と、怒りを爆発させる時期と、暴力を反省し、優しくなる「ハネムーン期」とを繰り返すというものです(ランディ・バンクロフト『DV・虐待加害者の…