毛利家臣の益田元祥が所持していた葉茶壺。寛永二十一年(1644)の「益田元堯諸道具譲渡目録」に「小嶋葉茶壺」としてみえる。中国明朝の華南地方で製作された華南三彩壺であり、現在は益田市東町の萬福寺が所蔵している。 萬福寺の華南三彩貼花文五耳壺 益田家伝来の葉茶壺 壺の概要 参考文献 萬福寺の華南三彩貼花文五耳壺 島根県益田市東町に所在する時宗の古刹萬福寺は、応安七年(1374)十一月に益田兼見によって創建された。益田氏にとっては重要な寺院であり、兼見は永徳三年(1383)に作成した置文の中で「御道場」(萬福寺)について、自身が「興隆奔走」し「本道場」にしたのだと記している(「益田家文書」853)…