昨年末から読んでいる本シリーズの下巻です。 上巻では所謂直観や素早い判断を得意とするシステム1(早い思考)と、熟慮担当のシステム2(遅い思考)についてフォーカスが当たっておりました。 下巻では上記のシステム1とシステム2が混在するいわゆる『ヒューマン』と経済学が措定する合理人『エコン』とを対照的に描き、結局我々が『エコン』でいられない、結局『ヒューマン』であることを多くの事例や心理学理論から例証しています。 参照点、面白いですね。 面白い理論が沢山ありました。すべては書ききれませんが覚えているものを紹介。 参照点という概念は印象的でした。これは同じ効用の二つの事例でも、参照点によって効用が変わ…
人間は思った以上に合理的ではないという言説は最近つとに聞くようになった気がします。その言説を学問として裏付ける行動経済学は、人間の非合理がシステマティックに、そしてロジカルに働く様を明示していたりします。 私もそんな人間の非合理さに深い興味を持つものでありまして、昨年はダン・アリエリーの「予想通りに不合理」「ずる 嘘とごまかしの経済学」を読んできました。 そして今般、もう少しこのカテゴリを読んでみようかと、行動経済学でノーベル経済学賞をとったカーネマンの本を読んでみた次第です。内容が濃すぎるので上下巻一冊ずつ振り返ります。 頭の中に二つの自我:早い思考と遅い思考 本作のアイディアの白眉は、その…
Jean Tiroleがロチェスターにやってきた。Tirole教授は規制政策に関する業績で2014年にノーベル経済学賞を受賞しており、今回も「デジタル時代のプライバシー」と題した企業や政府によるデータ利用への規制についての講演だった。規制を行うのは政府なので、(とりわけ権威主義体制における)政府自身のデータ利用をどう制限するかという問題に興味があったのだが、これについて決定的な解答は無いようだった。 一般向けの講演なので、一つの研究について詳しく解説するのではなくTirole教授がこれまで行ってきた様々な研究を概観していくというスタイルであり、そのため必ずしもテーマに沿った一貫した内容というわ…
みなさん、こんにちは。 「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。 毎日、ありがとうございます。 はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。 僕はこんな人です。 にょういずみにょうさんのプロフィール - はてな 今年の本試験(令和6年8月25日)まで、残り128日(18週と2日)です。 1日1日を大切に過ごしましょうね。 このブログでは、来年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。 必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみ…
裏金事件の処分が決まった。時効になっていない過去5年分のみの「調査」と岸田文雄,二階俊博両氏の処分なしやもっとも重い処分で「離党勧告」では納得できるわけがない。「役職停止」や「戒告」はいわずもながである。これで裏金問題の幕引きを引かせてはならないし,軽すぎ処分による真相解明への蓋閉めを許してはいけない。 自民党が公表した議員処分や政治資金の不記載などの額を記載し,ねちねちと批判を続け,「説明責任」を果たしてもらおうと思う。・二階俊博(和歌山3)3526万円(以下単位は同じ) 処分なし ・三ツ林裕巳(埼玉14)2954 役職停止1年 ・羽生田光一(東京24)2728 役職停止1年 ・山谷えり子(…
消費者行動や行動経済学を研究されている東京大学大学院の阿部誠教授に、個人の飲食店でもできる工夫やアイデアなど、人間の行動原理をもとにしたお店づくりについて伺いました。 行動経済学をはじめとする学問の教授に、データの観点から飲食店の店づくりや集客方法、リピーター施策として効果的なことを深掘りしていきます。今回は消費者行動や行動経済学を研究されている東京大学大学院の阿部誠教授にインタビューを行いました。 個人の飲食店でもできる工夫やアイデア、お客さんが気にするポイントとはどこなのか?人間の行動原理をもとにしたお店づくりについて考えます。 阿部誠さん 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授。199…
「暴落が近い!」 「急いで逃げ出せ!!」 みたいな煽りが目につくので、ちっとだけ書きます。 ちなみに、私も、 みたいな記事を書いているわけですが、 「暴落するぞ!!」 と予言しているわけではありません。 また、最近ヴァンガードから公開された記事でも 「米国株式市場のCAPEが割高だから楽観視すんなよ!!」 といった警告がされています。 『CAPE』とは、株式の収益率をはかる指標の一つ(PERの仲間)で、ノーベル経済学賞受賞者のロバート・シラー教授が考案したものです。 『CAPE』では、インフレ調整後の利益を過去10年の実績を使って算出されていますので、単純に直近の利益を使うPERよりも考えられ…
この記事は、トマ・ピケティの著書「自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から」について紹介します。この本は、不平等とイデオロギーの関係を世界史の視点から分析し、現代社会の問題点と提案を示す力作です。この記事では、本の内容や感想、評価を詳しく説明し、なぜこの本がベストセラーになっているのかを分析します。この本を読むことで、あなたも自分自身のイデオロギーを見直し、歴史や社会に対する新たな視点や理解を得ることができるでしょう。 本の内容と感想 この本は、トマ・ピケティが2019年に出版した「資本とイデオロギー」の前半部分を短縮してまとめたものです。ピケティは、「資本主義、社会主義、植民…
はじめに 今回は、 「楽天で貯めたポイントを、楽天証券のポイント投資で運用する。」 という話をします。 ポイントセールが人気の訳 最近はポイントセールが人気です、理由として同じ値引きでも例えば 10%ポイントが付く! 10%値引き! では「10%ポイントが付く!」方が得な気がしますよね。合理的に考えれば、どちらも同じです。 ところが、ポイントが付くと、後からそれで買い物できます。だからポイントを得るセールがより、得した気持ちになります。 でもそれがしばしば、無駄を生む原因になります。 ポイントは雑に扱いがち さらに買い物で貯めたポイントを、私たちは「あぶく銭」扱いしがちです。雑に使ったり「自分…
それでは、習近平が「経済」を見殺しにしている、というその論考・ 「習近平の悪手が止まらない…!悲惨さを増す「EV墓場」の実態と、「中国大恐慌」のトリガー…」 を次の掲載しておくので、一読願う。 習近平の悪手が止まらない…!悲惨さを増す「EV墓場」の実態と、「中国大恐慌」のトリガーを引く「経済見殺し政策」のヤバすぎる中身 藤 和彦経済産業研究所コンサルティングフェロー 2023.10.10 習近平が「経済」を見殺しにしている… ここのところ中国経済には改善の兆しが見えてきたが、それは期待外れに終わり、むしろ中国政府の無策ぶりを露呈するきっかけとなるのではないか。 前編『習近平、まさかの「愚策」……
米マサチューセッツ工科大(MIT)によると、ノーベル経済学賞受賞者のロバート・ソロー氏が21日、死去した。99歳だった。 ニューヨーク・ブルックリン生まれ。MIT名誉教授。1950年代から60年代にかけて、経済成長の主な要因は、人口や設備投資ではなく、技術革新だと指摘する論文を発表。87年にノーベル経済学賞を受賞した。(ニューヨーク 小林泰裕) ノーベル経済学賞受賞のロバート・ソロー氏が死去、99歳…MIT名誉教授 (msn.com)
今までの経済学では「資本主義の発展とともに富が多くの人に行き渡って所得分配は平等化する」とされてきました。これは資本の生産性が労働を上回れば投資が増えて資本収益率が下がり、労働生産性に近づくと考えられていたからです。現実にも、クズネッツなどの実証データでは、戦後の所得格差は縮小していました。 しかしピケティの1870年以降の歴史的データによれば、それは例外で、資本主義では格差が拡大するのが普通だというのです。 こういう指摘は以前からありましたが、ピケティは世界各国の一次資料を使って定説をくつがえし、「資本主義では過去200年間、格差が拡大し、今後も不平等が拡大する」と予想したオリジナルな研究だ…
文化の日。 11/3 1時就寝、8時起床。祝日らしい。そんな実感はないけど。 松のやの新メニューであるチーズトマトささみかつを食べようとしたら品切れだった。仕方ないのでカツカレーにした。 がっつりおひるね。 アドカレに向けて記事を書いていた。 就職のことを考えて鬱になるやつ定期的にやってしまう。自分にできる仕事はIT系の仕事くらいしかないだろうけど、そういった仕事は未経験にあまりにも厳しいので自分にはできない。接客も肉体労働も無理なので、自分にできる仕事はないのである。 「これはセクハラになるからやってはいけない」という考え方をする人がいるけど、我々が健常者エミュレータをやってるのと似てるのか…
【日本経済は破綻する?】 リーマンショックで世界の金融市場が混乱したとき、世界の投資家たちが安全資産として買ったのが「円」だった。日本は他の国と比べて相対的に安定している。もちろん日本国債が絶対安全とは言えないけど「日本経済が破綻するまではかなり先」と考えていい。(P.26) 【72の法則】 72÷利率(%)=2倍になるまでにかかるおおよその年数 例)貯金を5%で運用して2倍にする場合 72÷5=14.4(年) (P.47~48) 【国債について】 ・国債で買うのは「個人向け国債」の「変動10年型」 ・変動10年型は長期金利に連動するので、銀行の金利に比べて大きく損することが少ない。 ・個人向…
習近平が国家主席になる前はどこぞの省のトップだった。 その時に1番やった仕事が日本叩きだった。それを見た江沢民がこいつは俺のいう事を最も聞く奴だと思ったじゃないのかなぁー そうしたら意に反して全くいう事を聞かない木偶の棒だった。 省のトップ時代は習近平って仕事が出来ない代わりに日本叩きをして仕事が出来る振りをしている。 香港問題が過熱をしている時にコロナが発生・・・これも習近平の意思でまき散らされたと確信をしている。 国家主席としての仕事がまったく出来ないので、極端な方法をやって、自分の仕事が出来ないのをカモフラージュをしている。 恒大、カントリーガーデンの不動産問題も極端な政策をしたから急激…
ノーベル賞、女性受賞者はわずか63人 日本人女性はまだゼロ - 産経ニュース 女性云々に触れるとは産経とは思えない記事です。 公式ウェブサイトによると、千人近くになる受賞者のうち、女性は今年受賞が決まった人も含め63人で、わずか6%程度に過ぎない。日本人の受賞者に女性はまだいない。 史上初の女性受賞者は、放射線の研究で1903年に物理学賞を受けたキュリー夫人だ。1911年に化学賞も受け、女性唯一の2度の受賞者となっている。 近年では ◆夫人呼ばわりは女性差別 →同様の理由から「キング夫人」「コート夫人」も最近では「ビリー・ジーン・キング*1」「マーガレット・スミス・コート*2」と呼ばれる。 ◆…
先週末(9月22日)からの、グロース系の底入れからの反転というトレンド転換の兆しが継続している模様。 日本市場にポジティブな観測が見られるが、それよりもドル円が150円にタッチしそうなのが気がかりだ。日米の金利差の要因が大きく、どうしようもないと割り切りつつ、150円を超えても下落し続ける展開までは想定していないので注意したい。 現物株を売却してキャッシュ比率が今年最大の水準まで増えた。ここからは10月の決算シーズンを逆算したトレードを心がけたい。あと、今年の終盤ターンに入ったので2024年問題をテーマとしてのウェートを上げておく。 チェック事項 1ドル149円台まで下落 金価史上最高値で1グ…