人間は思った以上に合理的ではないという言説は最近つとに聞くようになった気がします。その言説を学問として裏付ける行動経済学は、人間の非合理がシステマティックに、そしてロジカルに働く様を明示していたりします。 私もそんな人間の非合理さに深い興味を持つものでありまして、昨年はダン・アリエリーの「予想通りに不合理」「ずる 嘘とごまかしの経済学」を読んできました。 そして今般、もう少しこのカテゴリを読んでみようかと、行動経済学でノーベル経済学賞をとったカーネマンの本を読んでみた次第です。内容が濃すぎるので上下巻一冊ずつ振り返ります。 頭の中に二つの自我:早い思考と遅い思考 本作のアイディアの白眉は、その…