原 雅明 テキサス州オースティン出身のマイケル・A・ミュラーとロブ・ロウが率いるバルモレイ。彼らが、世界最古のクラシックレーベルであるドイツ・グラモフォンと契約を交わしてリリースした2枚のアルバム『ザ・ウインド』(2021年)と『ペンダント・ワールド』(2023年)、そして、ライヴフィルムとそのサウンドトラックである『THE WIND Live in Marfa』(2022年)に表現された世界は、どう形容すべきなのだろう。“アンビエントアメリカーナとコンテンポラリークラシックの見事な融合”とはレーベルのプロモーションコピーだが、そこだけに収まる音楽ではなく、ジャンルの挟間を漂っているような音楽…