4月1日 エリザベート・バダンテール Élisabeth Badinter 著『ふたりのエミリー』Emilie, Emilie 1983 読了。 ヴォルテールの恋人でありニュートンの著作の仏訳を手掛けたシャトレ夫人と、ルソーの友人で教育論を著したデピネ夫人。多言語を操り、男の領分とされてきた科学研究に没頭する前者と、その当時常識外とされていた母親自身による育児を通して、ルソーの描く従属的な女性像に反発しつつ、男性に支配されない自立した女性像を目指す後者は対照的だが、現代の女性にとっては、どちらかではなく、どちらも実現する可能性が与えられている、という結論は、何冊か著者の本を読んだ者にとってまこ…