パオン・デ・ロー ベレンに到着した私たちは、発見の塔に向かいながら、カステラの原型になったパオン・デ・ローが食べてみたくて、お店を探していた。美味しい店がきっとあるはずだけどどこに行けば食べられるんだろうかと、ゴソゴソとスマホを取り出しながら。 おなかが、グルグルと鳴った。ナツさんが怪訝な顔をする。 「あれだけ食って、まだ食べたりないの?」 たしかに空腹のときのような音を立てたかもしれない。そして、昼ごはんにあれだけたらふく食べていながら、ちょっと消化してきたからといって「カステラの原型が食べたい」という私に、まだ腹が空いてるのかと呆れるのも無理はない。でも、おなかが鳴ったのは空腹からではない…