・いろいろな世界線にいた自分が一堂に会して収束したような、そんな旅行だった。 本当に、夢の中のような、夢でみた瞬間がぴたっと一致するような、デジャヴとも違う不思議な感覚、心地よさ。冷たく澄んだ空気、青空と木漏れ日、鳥のさえずりと薔薇の香り。どの道も、どんなに歩き疲れても、あなたがそばにいて。蝶や鳥の励まし。明晰になった瞬間必ずすぐに見つかる蜘蛛の巣。朝の光線とホテルのグレーのコンクリートの天井、ピンクとクリーム色のバイカラーの壁紙に、深緑のラインが映える。白い光は夕方には黄金色に変わる。ころころとしたかわいらしい雲は、西洋の絵画で見るそのまま。 ・視覚的な情報を超えて、概念を感じることが多かっ…