23日は角川シネマ有楽町で、フランス映画『パリタクシー』(クリスチャン・カリオン監督)を観た。この作品は、邦題のとおり、92歳の老女マドレーヌが介護施設に入居するのを、タクシー運転手シャルルが迎えに行き、パリの反対側にある施設に送るという物語。移動の途中でマドレーヌはあちらこちらと彼女の人生にとって重要だった場所への寄り道を指示し、少しずつ彼女の過去が明らかになっていく。またマドレーヌに乞われるままシャルルも自分について話し出し、いつの間にかそれまで見ず知らずだったマドレーヌとシャルルのあいだに共感が生まれてくる。ある意味では、とてもありふれた設定で、おそらくタクシーであちこち移動しながら運転…