時間とともに変化する愛の物語 恋愛映画の歴史のなかで、リチャード・リンクレイター監督の「ビフォア」シリーズほど、時間と感情を誠実に描き続けた作品は稀です。『ビフォア・サンライズ』(1995)、『ビフォア・サンセット』(2004)、『ビフォア・ミッドナイト』(2013)。この三部作は、同じ二人の男女──ジェシーとセリーヌ──を9年ごとに描き、俳優も観客も実際に歳を重ねながら物語が進むという、きわめて稀有な試みでした。 なぜこのシリーズが特別なのか。それは「恋」と「愛」の違いを、リアルタイムで見せてくれるからです。20代で出会った二人が、30代で再会し、40代で夫婦として生きる。その過程で、激しく…