ジム・ホルト『世界はなぜ「ある」のか』(7) 今回は、第2章 哲学のあらまし の続き(p.50~)である。 「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか?」という問いを巡り、思想家の見方は3つに分かれて現在に至っている、とホルトはいう。次の3つである。(緑字は、傍点の代わり) 楽観派…世界の存在には何らかの理由があるはずであり、それを見出せるだろう。 悲観派…世界が存在する理由はあるかもしれないが、確かなことは決してわかるまい。何故なら、恐らく私たちに見えるのは現実のごく一部でしかなく、その背後にある理由がわからないからか、現実に背後にある理由は、宇宙の本質を看破するためでなく、あくまで生き残るた…
東京上野の東京都美術館で「第47回人人展」が開かれている(3月31日まで)。この「人人展」は異端の日本画家中村正義の発案になるものだ。今回はその中村正義生誕100年を記念して、会場入り口近くに中村正義の作品が展示されている。 知人の作品を中心に気になった作品を紹介する。 中村正義 古茂田杏子 亀井三千代 内藤瑤子 林晃久(マロン・フラヌール) 大野俊治 豊泉朝子 成田朱希 米田称侑 ・ 「第47回人人展」 2024年3月25日(月)―3月31日(日) 9:30-17:30(最終日14:30まで) ・ 東京都美術館 東京都台東区上野公園8-36 https://hitohitokai.org/
ナシーム・ニコラス・タレブは、レバノン内戦時にフランスへ渡り、パリ大学において数理ファイナンスの研究にて博士号を、またペンシルバニア大学ウォートン・ビジネス・スクールでMBAを取得、ヘッジファンドのクオンツ兼トレーダーになった人で、有り余るほどの大金を入手した30代で「半隠居」状態になった後、ニューヨーク市マンハッタン区のグリニッジ・ヴィレッジにあるニューヨーク大学クーラント数理科学研究所で不確実性の科学を教え、世界あちこちのカフェで瞑想に耽りながら読書に勤しむ「フラヌール(遊び人)」を自称する「懐疑的経験主義者」である(どうやら現在は、大学の職も辞している模様)。 タレブは、Fooled b…
祝福作者:高原 英理河出書房新社Amazon「文學界」「群像」や編著に発表された諸作を怪奇幻想誌「ナイトランドクォータリー」での連作「精霊語彙集」として引き継いで書かれた作品集。オルタナティヴなこの世の外への志向を、「呪なのか祝なのかもわからない言葉」の魔力をめぐる言語を通して描いた幻想小説。幻想小説といっても超常的な現象にフォーカスするというよりは、言葉が持つ力がこの世の平常を超えること、この身体を超えること、この世界そのものを超えること、そのようなものとしての言語を描いている点に幻想性がある。 「言葉が意味を通り越したところに呪(しゅ)はある」114P 九つの短篇が収められていて、私はこの…
昔から私は「詩人」を畏怖していて、というのも、散文にまみれながら生きている自分には、「詩」と呼ばれるのに耐え得る確かな強度を備えた文を、おいそれと書けるはずはないと常に恐れているからだ。 ところが、ジュンパ・ラヒリがイタリア語で書いた三冊目の本『思い出すこと』を読んでいたら、突然、詩が書きたくなってきた。それも、外国語で。ひとまずは、中国語で。いや、違う。中国語が、私にとって正真正銘の外国語であるはずがない。では、それは私の母国語? 巧みに操ることのできない言語を、母国語とか母語と呼んでもいいのなら、そうかもしれない。この戸惑いをひっくるめて、生まれたときからずっと中国語しか話してこなかった人…
原民喜『夏の花』 「文學界」2023年5月号の特集「12人の“幻想”短篇競作」 伊野隆之『ザイオン・イン・ジ・オクトモーフ』 小野寺拓也、田野大輔『検証ナチスは「良いこと」もしたのか?』 ソマイア・ラミシュ編『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない アフガニスタンにおける検閲と芸術の弾圧に対する詩的抗議』 『ナイトランド・クォータリー vol.20』 高原英理『詩歌探偵フラヌール』 「逆光線」第19号 原民喜『夏の花』 夏の花 (集英社文庫)作者:原 民喜集英社Amazon広島原爆投下直前までのある一家とその周辺を綴る「壊滅への序曲」、原爆投下直後の広島での悲…
こんにちは、ハクです。 毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。 試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。 書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。 どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。 例)折りたたみメニューはこちらです ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ★★★★[ 紹介文はこちら ]★★ 大当たり!( ´,_ゝ`)プッ 宜しくお願い致します。 ◇ 【著者とひととき】 ①『浦安 汐風のまち 2003-2019』…時代と人々の営み映す 黒田 勝雄さん ★★★★[ 紹介文はこちら ]★★ 時代とともに変化し、いつの間にか失われていくま…
メガネを新調して視力が倍ちかく上がり、その足で本屋に向かった。神谷浩史の声で読み上げると自然に読める本、つまり西尾維新の「怪盗フラヌールの巡回」、の続編を買っておこうと思っていたし見つけたのに買わなかった。店内をうろついて他になんか買ってみるかと思ったりしたが、購買意欲がさらさら起きず、少し怖くなった。地元の本屋なので、というのもあるだろうけど。ただ翻訳小説たちが少し気になった。それからひたすら、昨日気圧低下に注意と通知されたことを何度も思い出すくらい寝ていた。夢のなかで他人に〈cancel〉 犬は本当にどこでも寝て、プリントが散乱した床の上で辞書を枕にしたりもするのだが、今なぜか狭いパソコン…
5月に読んだ本を、9月に…? 自分用メモ、感想は割愛。ティアキンで忙しくてあまり読んでいない。 小説・フィクション ローラン・ビネ『HHhH プラハ、1942年』 高原英理『詩歌探偵フラヌール』 町田康『口訳 古事記』 その他(趣味) 岩波書店『ローマ帝国と西アジア 前三~七世紀(岩波講座 世界歴史 第3巻)』 小説・フィクション ローラン・ビネ『HHhH プラハ、1942年』 HHhH プラハ、1942年 (創元文芸文庫) 作者:ローラン・ビネ 東京創元社 Amazon 高原英理『詩歌探偵フラヌール』 詩歌探偵フラヌール 作者:高原 英理 河出書房新社 Amazon 町田康『口訳 古事記』 …
9/2 (土)20:15 - 21:45 久禮亮太×花田菜々子「自分で本屋を始めてから思ったこと 蟹ブックスとフラヌール書店の日々」 https://kani-flaneur.peatix.com/ スリップの技法 作者:亮太, 久禮 苦楽堂 Amazon 出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと (河出文庫) 作者:花田菜々子 河出書房新社 Amazon
激途中!こっからマジで記録だけの記事投げます。 後で内容が入るかもしれないし入らないかもしれない! 『怪人デスマーチの退転』西尾維新 怪人デスマーチの退転 怪盗フラヌール 作者:西尾維新 講談社 Amazon 『天盆』王城夕紀 天盆 (中公文庫) 作者:王城夕紀 中央公論新社 Amazon 『カラス屋の双眼鏡』松原始 カラス屋の双眼鏡 (ハルキ文庫) 作者:始, 松原 角川春樹事務所 Amazon 『おいしいコーヒーのいれ方(7) 坂の途中』村山由佳 おいしいコーヒーのいれ方 (7) 坂の途中 (集英社文庫) 作者:村山 由佳 集英社 Amazon 『ユリウス・カエサル ルビコン以後 ローマ人…
ああ 心に愛がなければ テキストは互いに異花受粉するため、何世紀もの時代を飛び越えているのだ。(p.65) <<感想>> イラン出身の作者の小説を取り上げるのは、『スモモの木の啓示』【過去記事】に続き2回目となる。 作者のアザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ(長い)は、『スモモ~』の作者のショクーフェ・アーザルと同じく亡命者だそうだ。スペイン、イタリア、UAEに居住経験があり、現在はアメリカとイタリアとを行き来する生活を送っているという。 いきおい本作もイランからの亡命者を主人公に据えた物語となっている。 そして、その設定がなかなかにトんでいる。主人公のゼブラことビビ・アッバス・アッバス・ホ…
アンドラーシュ・シフ Ⅰ を見る。お好み焼きを焼く。尾山台に出て、尾山台図書館。不動前に出て、フラヌール書店と五反田図書館に寄って戻る。鰆の包み焼きを焼く。高垣酒造の龍神丸 純米生原酒。 五反田図書館 刺青の男 Chu's Gospel 2022 New Order/Σ(No,12k,Lg,17Mif)New Order + Liam Gillick People
2023年6月は8冊。 本棚登録は51冊。購入は6冊/¥4305。 本は港 開催記念ZINE 文集・本屋のあるまち まちを耕す本屋さん 著者 : 発売日 : ブクログでレビューを見る» 自分はただの本読みに過ぎないのだが、このZINEを読んでいて救われた気分になる。本を売るというだけではないスペースの意味をつらつらと考える。 本は港で唯一購入した本。生活綴方。まだ行けてないのだよな。リソグラフ印刷の可能性もちょっと感じたかな。 いつか死ぬなら絵を売ってから 1 (ボニータ・コミックス) 著者 : ぱらり 秋田書店 発売日 : 2023-06-15 ブクログでレビューを見る» Twitterの高…
Twitterで精神に余裕がないと映画とか本とかの娯楽を楽しむことは出来ない、でも音楽だけはやばい時でも俺はできた(うろ覚え)みたいなツイート流れてきたけど精神は多分元気、趣味が多いだけで ということで旅行先とか日常に読書を組み込むのではない形で短期間集中型読書を5月からしている 電車移動とかね そうなってくると紙ってやっぱ荷物になるなとは思うけどやっぱり手に持って読みたいから紙派だな〜 ということでそんな6月 怪人デスマーチの退転 / 西尾維新 4/3に買っててるのに今更読んだ マジの積ん読だった ぜろ on Twitter: "買いました https://t.co/Ewb4lCndzb" …
各項目の並びは読んだ順です。 最終更新:2月4日(2024年)